今回は「サブリース」をテーマにブログを書きます。サブリースと言うと、「35年一括借り上げ」のアレが思い出される為、あまり良い印象が無い人が多いと思います。僕も実際そう思っていました。僕のサブリースの印象は、①家賃の85%程度で借り上げる(15%がサブリース会社の儲け)②入居者が退去した時の原状回復費用負担は家主③3年毎に家賃の見直し。つまり、賃貸経営で発生する少ない利益を吸い上げる仕組みというのが一般的な見方と言えます。

唯一のメリットは空室でも家賃収入があるという点。想定賃料よりも少ない家賃ではあるものの、空室で家賃が入らないという事がありません。退去が起きて半年空室でも家賃が入るのでそれを考えたら十分にメリットがあると言えます。まぁそれでも空室がすぐ埋まる物件ならば無意味かなと思っています。85%で言えば、単純に年に2ヵ月空室があるか否かが判断基準になると言えます。

そういう認識が少し崩れる出来事がありました。

大家さんのセミナーに参加してきました

セミナーのお題は「OYO LIFE」。突如浮上してきたインドの会社で社長は25歳。ソフトバンクの孫さんがお金を出した事でも有名なサブリース会社です。(利用者側の見方じゃなくて大家側、不動産屋側から見たらその位置付けなので今回はこう呼びます)

OYOの話によると、

・基準家賃の90-95%で借りる(首都圏の場合)

・退去時の原状回復費用はOYOが負担

・2年毎に更新料も払う

との事。

今までのサブリースのそれとは大きく事なる破格な待遇です。こうなると、大家としても管理会社としても一般入居者に貸すよりOYOに貸した方が儲かる(手残り資金が増える)のではないかと思ったので計算してみます。

例えば、当社で人気物件と呼べる1K80,000円の部屋があります。退去してもすぐ次の入居者が決まるので人気物件と呼んでいますが、退去して修繕して次の人に貸すまで少なくとも1ヶ月は掛かります。しかも、広告料も付いているので1回空くと家賃2ヶ月以上は出ていく計算です。しかも単身者用だから2年で退去する事もしばしば。これをOYOと比較すると、

【通常】

80,000×21ヶ月(24-3ヶ月)=1,680,000円

※空室1ヶ月と広告料2ヵ月で計算

【OYO】

80,000×23(24-1ヶ月)×90%=1,656,000円

※OYOが借りる際免責1ヶ月。95%もあるらしいですが、厳しめに90%で計算。

でた数字はほぼ一緒です。つまり、退去から1ヶ月以内で決まらない場合、OYOに貸した方が手残り利益が増える計算となります。95%ならさらに増えるし。損するパターンは長期入居される場合のみ。10年とか住んでもらえるならOYOを利用する意味がありません。まぁ先の事は分からないので安全性を考えるとこれも1つの手と言えます。

当社は賃貸管理会社ですが、家主の資産を預かっている身分です。つまり賃貸物件の収益最大化を考えて行動する義務があります。ただ預かっていれば良いってもんじゃありません。まぁそんな管理会社が多いから最近管理物件を沢山頂ける訳ですが。

通常賃貸で埋めて行くべきか、OYOを利用するべきか。ソフトバンクが巨大な資本を投下して始めたこのビジネスは今後のライフスタイル、不動産事情が大きく変化していく可能性を秘めています。

一応、僕はOYOの回し者じゃないですよ(笑) 本日は以上です。1/3でも伝われば幸いです。