昔と違って現在は不動産投資、つまり大家さんの数がとても多く約300万人いると言われています。40人に一人が大家さん?そんな馬鹿な!?とも思える数値ですが、自分の家や親から相続した物件を貸している人もいるので多分そんな感じではないかと思います。

さて、その中に「不動産投資家」という層が一定数います。銀行からお金を借りて物件を購入し、賃貸に出して収益を得ている人達です。数千万、数億円というお金を借りるのでハードルが高そうに見えますが、意外と多いのがサラリーマン。携帯に知らない番号から電話があって「区分マンション買いませんか?」なんて営業を受けた方も少なからずいるのではないでしょうか?

とある区分マンションの模型

最近、不動産の相談で割り合いが多いのが、この区分マンションに投資をしている人です。「こういう物件を買ったんだけどどう思う?」「こういう物件を持っているんだけどいくらで売れる?」等々。買った物の心配のタネになる事が多いようです。区分マンション投資はサラリーマンでも手を出しやすい金額だし、大きな損も無いので結構やっている人が多いのですが、結論から言うと、購入時からババを引かされている事が99%ですので買わない方が良いです。買ってしまっている人は、まぁ状況次第ですね。売るべきか、保有しておくべきか。こればかりは個別に見ないと判断付きません。

販売業者の売り文句は基本的に「年金の代わりになる!」です。銀行から借金をするだけで、毎月の支払い以上に家賃が入ってきて、払い終わったら財産になる。老後2000万問題もあるから買っておくべきです!こんな感じでしょうか。

これ、細かく見ていくとかなり杜撰な計画なんです。まぁ売っている人達も大した知識も無く決まった売り文句しか言えません。内容を少し説明しますね。2500万円位の区分マンションを購入する感じの例で書きます。

まずは、毎月の支払いより家賃が高くてちょっと得をしている感があっても、所得税・固定資産税を含めると毎年少し持ち出ししているケースが大半という事です。営業トーク的には、毎年4-5万程度の手出しで2500万の物件が手に入るからお得ですよ!なんて言われますが、毎年5万の35年払いとなると・・・1750万です。差額が750万になりました。

また、根本的な所ですが、35年間ずっと誰かが住んでくれる事が確約されていないし、家賃も下がっていくという事を気付かせない程度で話します。つまり、空室期間は家賃が入ってきませんし、退去されたら部屋の原状回復費用も掛かります。35年も経てば2-3割は家賃が落ちますので、その頃には毎月の収支マイナスになっている事でしょう。さらに、35年も経てば物件の価値も2-4割下落しています。

という事は、2500万の物件をローンを組んで金利含めて3000万(いやそれ以上)で買っても、トータルの支出は2500万程度になり、なおかつ35年後には1500万の価値(4割減で計算)となってしまう訳です。1500万の物に2500万程度払った事になります。まぁ勿論、払い終われば毎月の家賃はそのまま自分の収入になるのでそこからようやくプラスになっていく訳ですが、その頃には色々な修繕が発生してまたお金が掛かる訳で、ずっとお金の苦労をする事になるかもしれません。まぁ推測ですけどね。

勿論、未来の事ですので絶対とは言い切れませんが、上手くいく人も少なからずいます。以前書いたブログ(失敗しない物件選びのコツ)でも書いていますが、毎月の支払いと家賃収入が4万円程度離れている物件であれば安全レベルで買っても大丈夫かもしれません。でも、新築の区分マンションにはそんな物件皆無です。

まぁ・・・どうしても買いたい!って意欲が沸いたなら、買う前に僕に相談してください。大抵「ダメだ!」って言いますが、もしかしたら「買ってもいいんじゃない?」って言える物件があるかもしれないので。。。。。まぁほぼ無いけど(笑)

本日は以上です。1/3でも伝われば幸いです。